「八つの決まり」と「自然科学」の照合 【Ⅰ章(1)】
《平等関係の取り方》
(Ⅰ章)はじめに
日常や社会にある問題、そして国際社会が取り組んでいる改善の場(フィールド)であるSDG s(Sustainable Development Goals)に至るまでを、「八つの決まり(地球全体におけるバランスが取れるための規準)」を表す平等関係の取り方から考察してみます。
地球全体から見たとき、法律・宗教・文化などで異なる人々から構成されている現代社会には、統一された規準となる物差しが無い上に、生存競争による経済重視に偏った生き方から「大自然の変調と不公平による貧富の拡大」が深刻化し、自分だけを守ろうとする風潮が全体で高まっています。その結果、世の中の動きが変えられなくなっています。生存競争による経済重視に偏った生き方は自分の立場のみを擁護して、相手の立場を軽視します。「八つの決まり」の姿『お互い等身大で相手の立場に立つ姿』からかけ離れるほどに「不安定」となり、人々の「不安」は増し、社会の変化は失われます。
ここで、「八つの決まり」を表す平等関係の取り方が実践されてバランスが取れている社会が実現しているとします。これは正確にはバランスが過去から現在、そして未来へと不変的に崩れない事、加えて、社会を全体として広い範囲(内容によって関係する範囲)で見た時にバランスが取れているという事です。バランスを取る為には今だけの事を考えるのではなく時間発展的に考える必要があり、そして小さい範囲で社会を見た場合、つまり、一個人や局所的地方や部分的組織を見た時は、バランスが取れていない場合がありますが、これが正常な状態の社会となります。
これに対し現実では、地球上の社会を全体として見てもバランスが崩れており、さらに異常な状態に気が付きつつも団結して実践に移せず、惰性のままに今だけの事を考えて生きています。これは末期の異常な状態の社会となります。
そこで、(Ⅱ章)改善の進め方の基本、(Ⅲ章)「八つの決まり」の理解を深める、(Ⅳ章)全体の立場に立つ権力者「第三者」の重要性、(Ⅴ章)日常や社会にある問題を考察、(Ⅵ章)SDG sの取り組み内容を考察、(Ⅶ章)最後に、以上の流れでいきたいと思います。
「八つの決まり」の姿である『お互い等身大で相手の立場に立つ姿』は平等関係の取り方から表されます。自然科学と同じく「矛盾を含まない内容」として理解できるようになっています。強調したいのは、大自然のメカニズムは巧妙ですが、姿は単純です。秩序や道徳を日常において実践するとは、平等関係の取り方を道具として使うという事です。その際、細かい所までの欠点を洗い出す事なく、大雑把に、そして失敗を許す反省の仕方をして行くという事です。ゲーム感覚でクイズ問題を解くように、どのような問題に対しても、平等関係の取り方から「八つの決まり」の姿を導いて、「八つの決まり」の姿が習慣となるように日常で反復練習をして行きましょう。詳しい説明はⅢ章以降で述べていきます。様々な問題に平等関係の取り方から答えを出してみてください。ただし、平等関係の取り方を正確に理解していないと、誤った比較を行い不公平関係となります。(Ⅴ章)の例題も読み進める事で、より理解し易くなります。大自然から社会全体まで、必ず何かと何かの関係によって成り立っています。
その関係の取り方が平等関係に描かれています。平等関係の取り方という一点に全ての問題の原因が凝縮しています。平等関係の取り方から「八つの決まり」の姿を頭で理解して、次に行動して、経験して答えが出た時が、心で理解したという事になります。心が理解した分量が器量を大きくします。「八つの決まり」の姿を規準に、長所は正常習慣(等身大で相手の立場に立つ)、短所は異常習慣(自分の立場のみで思い込んで決め付けた正論を一方的に押し付ける)となります。
グローバルな社会問題に対して言うと、癌細胞は自己中心に周囲の正常細胞と平等関係を取りませんが、病状が進むと生体の死を意味し、自分自身も破滅します。自分を自覚する為には、自分を見るしかありません。回避困難な他責部分は第三者へ声を上げ、第三者の協力が得られ難い場合は、距離を置いて極力相手にしないようにしますが、このような場合でも意識は外側(目で見える状況)ではなく内側(自分の考え方、行いを見る)に向ける事が重要です。自責部分がある場合はフィードバック(反省)しましょう。周囲がどんなに熱く語っても、本人が自分自身を見ようとしなければ自覚は出来ません。「八つの決まり」の姿といえども、理解できない者に押し付けようとせず、理解出来ない者とは距離を置いて相手にしない事です。
第三者は全体を生かす立場から、「八つの決まり」に基づき全体のバランスを取ります。地球全体で抱える問題に対しては、第三者の立場を取れる方々が、前回タイトルにある通りの「反地球からやってきた救い人」です。現状をよく観察してください。現在の地球では統一された世界法はなく、完全にばらばらです。故に、正確には国際連合でさえ第三者とはなれません。
(Ⅲ章)以降では具体的に表現した「八つの決まり」をまとめていきますが、汎用性高くあらゆる関係に対応します。人の行動(考える、語る)の部分にこだわる必要は無く、自分・相手・第三者の表現も決めつける必要はありません(1、2、3は汎用可、4、6、7は人間関係、5、8は自分自身の事となります)。
2022年1月
橘 菊